Vコンサルタントブログ

事業再構築補助金 その2採択戦略

今回は前回に引き続き、中小企業が8000万円MAXの「事業再構築補助金」の採択通知を受けるための「戦略」について述べます。当社が経営革新等支援機関という「経産省認定機関」として、これまでの公募で今年度最大6000万円の交付決定を受理した会社さんもいらっしゃいますので、その実例を踏まえて、実戦的な採択戦略について語りたいと思います。

前回は、事業再構築補助金の公募要件などの概要を述べましたが、採択のためにどういうポイントがあるかを今回はお話ししていきます。今回の公募は、そもそも「中小企業等の売上回復等のためのウィズコロナ・ポストコロナ時代に対応する新分野展開、業態転換、事業・業種転換,事業再編等の思い切った事業再構築」を行う必要があることを示すことは必要です。そこで、公募の際に提出する事業計画は、

現在の事業の状況

事業再構築の区分とテーマ

事業の強み・弱み・機会・脅威

事業再構築のビジネスモデル

事業環境

投資建物の建設・改修の予定

事業再構築の必要性

機械装置等の型番、取得時期

提供する製品・サービス

技術導入や専門家助言、研修の時期

導入する設備、工事等

詳細の事業スケジュール

事業再構築が新分野展開、業態転換、事業・

業種転換,事業再編等の何れかであること

事業の課題やリスクとその解決法

他社差別化等競争力強化のしくみ・体制

事業化の時期・売上規模・量産化時の価格

従業員解雇の際の再就職支援等配慮内容

*必要により図表や写真を利用

事業のターゲットとなるユーザー

取得する主な資産の名称、分類、取得価格

対象マーケット及び市場規模等

資金調達計画(つなぎ資金調達含)む)

事業の価格的・性能的優位性・収益性

収益計画(付加価値額算出根拠含)

といったことを示す必要があります。

次に、採択のためにどのような点で、補助金審査員に評価をアップさせるかといえば、次の項目の内容次第ということになります。

適格性

補助事業として実現可能な計画

事業化点

①人的、資金等資源確保可能性、②市場ニーズの存在、

③事業の優位性・収益性、④スケジュールの妥当性、

⑤事業の費用対効果、⑥自社の資源を生かす等シナジー効果が期待できる

再構築点

①リスクのある思い切った再構築

②事業再構築の緊急性が高い

③自社の強みや市場ニーズを踏まえたリソースの活用

④地域イノベーションに貢献できること

政策点

①先端的なデジタル技術活用があること、②ポストコロナのV字回復の有効な投資であること、③ニッチ分野での差別化、④地域への経済波及効果あり、⑤事業連携による高い生産性と経済波及効果

また、電子申請となりますが、揃えてPDF化する書類は、以下の内容となります。

①事業計画書(収益計画含むビジネスモデル15ページ以内)

②認定経営革新等支援機関・金融機関の確認書

③コロナ以前に比べ売上等が減少したことを示す書類

④直近2年間の決算書

⑤経産省「ミラサポPLUS」に入力した事業財務情報

⑥従業員数を示す書類

⑦事業場内最低賃金を示す書類

⑧時短、外出自粛で売上が30%以上減少した証明書類

202118月の月固定費が協力金を上回る証明書類

⑩その他加点対象の追加書類

【採択結果の分析(第1回並びに第2回の結果から)】

  • 書類不備が第1回で4%、第2回で11.9%と高率②通常枠は、8000万円限度で、採択率は3035% ③特別枠は、「緊急事態宣言枠」等を指し、1500万円限度で、書類不備がなければ80%近い採択率となっています。その意味で「緊急事態宣言枠」が狙い目であると言えます。

【事業再構築補助金対策のまとめ】

(1)採択を希望する事業者、採択条件や事業計画の早めの検討相談を行う。              (2)情報収集や書類作成は経営革新等支援機関・金融機関と協力体制を組む。    

(3)疑問点は、電子申請の方法を含め、事務局のコールセンター等に(なかなかつながりにくくても)粘り強く確認して明らかにしていくこと。

(4)補助金は万事を尽くしても不採択にあり得ます。①書類の不備、②ビジネスモデルの実現可能性の不足等によります。不採択でも粘り強く取組むことが必要。          

(5)補助金は採択後も、交付申請から入金まで所定のエビデンスとなる書類をきちんと揃え、残すことが必須となるので、採択決定後の書類のメインテナンスを行う必要があります。

(6)「事業再構築補助金」以外の補助金(事業承継・引継ぎ補助金やモノづくり)も基本的には採択戦略はこれと、共通です。

(7)補助金は目的ではありません。「事業を成功に近づける手段」であることを理解しましょう。

成功を祈ります! 

以 上                 

*当社㈱Vコンサルでは事業再構築補助金支援を行っております。お困りの方はHPからどうぞ。

  • 中堅・中小企業向け経営コンサル財務、事業、営業、人材育成、業務のシステム化など、課題を1つ1つに短期集中で解決。
  • かかりつけ経営コンサル頼れるリモート顧問型経営コンサルティングです。
  • 経営企画業務受託 新事業企画立案、経営計画、事業計画、改善計画はお任せください。
  • Vコンサル建設業経営センター建設業経営のコンサルティングを強みとするVコンサルの建設業特化サービス。
  • 中小企業向けコンサルティング建設・不動産の品質確保とコストダウンを実現する“コンストラクション・マネジメント”。
  • 医業経営コンサルティング医療・福祉の質向上により、患者さんやご家族を満足させる医業福祉のマネジメント・コンサルティング。