コラム&事例

生成AIと経営コンサルタントの使い分け

公開日:2026.02.10

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1. 生成AI出現で経営コンサル不要?

生成AIの出現は、これまで蘊蓄(うんちく)を語ってきた経営コンサルタントの「お株を奪う」と思われる面があります。

 

たしかにこれまで経営コンサルタントが語ってきた「問題解決の方向性」というのは、生成AIで無料に近い価格で一般論ながらできてしまうというのが実際です。それもあって、最近経営コンサルタント会社の倒産が多いという話も聞きます。

 

逆に言えば、生成AIの知恵や能力だけで会社の経営や事業がうまく回ればそれに越したことはありませんし、無料であれば尚のことうまく使うべきです。

 

優秀なスタッフがいて、それで足りる会社は良いですが、一般論では済まない会社や、より良い改善や強化を実現したい会社からすればそれでは足りないでしょう。

 

やはり生成AIと経営コンサルタントは「代替関係」ではなく、「知的労働の分業関係」として使い分けるのが最も効果的だといえます。

 

では、その使分けの仕方を検討してみましょう。

2.失敗しない生成AIとコンサルの使分け

(1)経営コンサルを使う前に生成AIでする事

まず、AIで済む仕事を徹底的に済ませることです。これにより、コンサルの生産性は23倍になります。生成AIでやることとして、

 

① 調査・整理・一般解の抽出

業界動向、他社事例、成功パターンの収集

フレームワーク整理(3CSWOTPEST5 Forces 等)・論点の洗い出し・選択肢の列挙(戦略オプション出し)といった考える前の下準備です。

 

② 仮説立案(一次仮説)

「問題はここにありそう」「この戦略が有効では?」「組織のボトルネックはこの辺では?」 AIは仮説生成エンジンとして非常に優秀(時に間違いもあり)

 

③ 資料作成・言語化

社内説明資料・企画書ドラフト・取締役会資料の骨子・施策案の文章化など

生成AIの利用で問題解決の準備は万全です。

 

(2) 経営コンサルタントにしかできない領域

➀「一般論」から「自社の解」への変換

AIは一般論を出しますが、コンサルは以下を行います。

1)経営者の覚悟・制約条件を読み取る

2)社内政治・人間関係・力学を理解する

3)数字の裏にある実態を見抜く

4)表に出ない“暗黙知”を扱う

答えを実行可能な形に落とすのがコンサルの価値と言えます。

 

② 痛みを伴う意思決定の支援

1)どの事業を捨てるか

2)誰に任せ、誰を外すか

3)投資をやめるか、続けるか

4)社内反発が起きる改革をどう通すか

これはAIではできません。経営者の孤独を引き受ける役割がコンサルです。

 

③ 実行・定着・修正まで伴走支援

会議への同席、部門間調整、KPI設計とレビュー、想定外が起きた時の軌道修正

成果は「提案書」ではなく現場が変わること

です。

 

④心理的・組織的な責任を背負う

1)経営判断に「第三者の責任」を乗せる

2)社内に対する説明力を持たせる

3)失敗時のクッションになる

4)コンサル費用=知恵+責任の外注

 

3.コンサルに「成果」を出させる使い方

AIで考えた仮説をぶつける

②成果物を文書ではなく行動で定義する

成果は、「立派な報告書」でなく、「実行された施策・数字の変化・組織の変化」

③「AIで代替できない仕事だけ」を依頼

意思決定支援・実行支援・社内調整・修羅場対応 

 

4.【結論】

生成AIは「思考の加速装置」

経営コンサルは「現実を変える装置」

この2つの組合せで初めて費用が生きます。

どちらか一方ではなく、両輪でこそ価値が最大化します。

この記事を書いた人

野澤周永

Tomonaga Nozawa
株式会社Vコンサル代表取締役
経営コンサルタント

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