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中小企業のデジタル化は急務!

 私は、経営コンサルタントになる前、大手と中小の建設会社に都合23年在籍し、その後、経営コンサルタントに転身しました。今でも建設会社の経営コンサルティングは多くお引受けしていますが、現在は、全業種対応で経営コンサルティングを行っています。そんな経営コンサルティングの場面で最近よく出る話は、「デジタル化」だといえます。テレビの「楽々精算」のCMで横澤直子さんが昭和の時代のオフィスにタイムスリップする設定で、紙の山に押しつぶそうになりながら、「今時、紙って!『昭和か!』っつうの!」と叫んで、つい笑いを誘われます。他人事のようにみていますが、中小企業のオフィスの現状をみれば、笑い事ではなく、どこでも「当たり前にあること」というのが現実です。

 

 デジタル化の波はここ10年、ここ5年、さらにはコロナ禍の緊急事態宣言の開始した20204月以降は急激に進展しています。ここでも、大手の資本力と中小の資本力の脆弱さの差が際立っていると言えます。大手は、コロナ禍でステイホームが余儀なくされた時、一斉にステイホームに対応すべく、リモート化・クラウド活用の環境を整えました。それはいわば事業継続(BCP)の対策そのものであったと言えます。そのころ、中小企業はどうだったかと言えば、結局「うちには仕事持ち返ってもできないし、ムリだね・・」といってステイホームが単なる「自宅待機」にしかならないといったケースが続発しました。また、お客様の所に行けない、会議ができないという点については、リモート会議をZOOMTeamsで行うスタイルを大手の場合は短い期間で達成し、すぐに当たり前にしました。その点、未だにリモート会議も「ウチの商売には関係ない」と取組まないことを正当化するだけの言い訳となっている中小企業もあります。

 

 このコロナ禍が後押しになったことは事実ですが、過去10年、5年を見た時に多くの総合病院が紙カルテから電子カルテ(電カル)に切り替わったのもこの時期です。大病院では、これが大変な情報共有につながり、例えば院内の薬剤師がお医者様からの投薬指示内容が変わったかを病棟まで聞きに行かなければわからなかったものが、電子カルテを見ればすぐ情報共有ができるようになったとのことです。その効率化を喜んでいます。この情報共有は、デジタル化の大きなメリットの一つであり、例えばスケジュール共有や、日報管理、決済のワークフローや掲示板、そしてチーム内でのチャットやチーム、リモート会議、社外招待など共有の輪を広げれば、判断のスピード化を図ることができ、また意見の突合せ(カンファレンス)も容易にできることで、結論の最適化を図ることもできます。

 そして、デジタル化の大きなメリットとしては、データの使いまわしであり、ミス防止や分析の容易さにより「見える化」を図ることができることで、主観にとらわれることなく客観的な評価が可能になる点です。ミス防止という点では、「エクセルを使ってIT化が図られた」などと言いますが、単なるIT化は標準化やデジタル化とは似て非なるものです。エクセルは計算もしてくれる優れものですが、結局は打ち間違いや資料間の不整合は発見しにくく、単体ではスピードアップが図れるものの、ミスが多発する手作業ソフトと言わざるを得ません。

 

また、マスター登録というのは、デジタル化の基本であり、マスター登録でコード化された情報は検索も容易ですし、またコードに紐づけて統計分析も可能になる、デジタル化・標準化の根幹をなすものです。例えば、建設業の場合は、年間多数の工事があっても、コードやキーワードで検索すれば、たちどころにその現場の原価や利益が表示されます。また、工事工種ごとの予算と原価実績の対比も容易にできますし、更に各品種品名ごとの単価の推移や、予定数量以上に工事原価がかかっていることが表示できることから、工事原価のPDCAを回すことが簡単にできます。建設業では製造業のような予定原価に対し、実績原価のブレがないケースと違い、天候条件や労務効率等で予定原価に対する大きなブレが生じます。この点で、その予算との差異を早期に把握し、早期に対策を策定・実行する意味でもデジタル化のデータ使いまわし可能という状況が大きな力を発揮します。

 

今やデジタル化は中小企業にとっても早期に実現しなければ、同業他社に乗り遅れてしまうことになります。事業管理・会計管理そして現場の日報実績管理などは一つの統合システムとして実現できれば、大きく同業他社に差をつけることができます。そして、IT導入補助金等を使って、根幹的な情報共有システムやリモート化、テレワーク化を実現するところから始めるとよいです。とりわけ、社内サーバーにデータを保存するだけでは災害に対するBCPとして脆弱です。設備投資額の山を崩す意味でも、またバージョンアップ対応を考えてもクラウド化を進めていくことも当然ながら課題となります。それにはどうすればよいか?まずはリーダーである経営者が食わず嫌いにならず、デジタル化を経営者自身のミッションとすることです。

 

以 上