Vコンサルタントブログ

現状レベルからの業績管理力向上

 毎月の業績を把握して、目標達成できているかどうかを検証して対策を立案・実行するためには何が必要でしょうか?・・答えは簡単で一つは、「目標」を作っていること、もう一つは、「実績集計」をタイムリーに行っていることです。

 

 経営目標といえば、年間売上や利益などの年度目標というのが一つの重要な指標ですが、年に一度来る七夕や節分のように年に一回締めてその結果を確認するというだけというのでは、業績対策が打てません。どこの企業でも年に一度は決算が訪れ、税務申告のために決算書を作成し、前年度の業績を評価するわけです。決算書による年に一度の業績チェックでは、当然その年度中に結果はまとまりませんから、年度終了後に業績評価して、たとえ芳しくなかったとしても「後の祭り」になります。

 

そこで、年度中に目標と実績の差異が発生した時に早めの業績のケアをして、年度目標に対する不足額をリカバーしようと思えば、定期的な業績のチェック(評価)が必要になります。つまり、月次の業績を月末で締切り、その業績集計をする必要があります。その業績集計がタイムリーに(遅くとも翌月5日ころまでに)できれば、少なくとも1か月のうち25日位が期間として残されていることから、目標差異をその期間である程度リカバーするための対策を立てて実行することができます。

 

 経営の基本として、これらの業績管理がなされていることが必要ですが、様々な業種や規模の中小企業に行ってみると、この一見当たり前とも思える管理が、結構できていないことが多いのです。目標がない、あっても形だけで具体策がない、そしてそのフォローがないといった企業は実は多いのです。こういう企業は、後追いで結果を知るので、前述のように結果を知った時にはもはや打つ手のない「結果管理」に陥っているのです。

 

 この基本とも言える業績管理ができていない会社さんに「なぜできないのですか?」と尋ねると次のような答えが返ってくることが多いのです。

① 社員が忙しく、売上や支払いの情報を上げてくるのが遅い。

② 自社で会計ソフトに売上や支払いの取引を入力(自計化)しておらず、領収書を会計事務所に送付又は出入金の情報を会計事務所に送付して記帳代行してもらっている。

③ 会計事務所がなかなか月次の業績集計結果(月次試算表)のまとめが遅れ勝ちで、1ヶ月以上後に送付される。

④ 特に資金繰りに困ったことはないので、業績管理が必要と感じていない。などです。

 業績集計結果も把握せずに「なんとかなる。」と考えるのは、健康診断を受けずに、自分で勝手に「自分は健康だ」と思い込むようなもので、経営リスクに無頓着と言わざるを得ません。

 

 但し、良いとわかっていても、業務繁忙度や経理担当者の管理レベル、伝票集計のしくいの有無などで、全企業が一律で月次業績管理があすからできるわけではありません。そこで、高望みをせず、当社の現状レベルに合わせてできることをやっていく考えからスタートしてはどうでしょうか?つまり、

 

(レベル1)会計事務所にお任せの場合→①クラウド等の会計ソフトを無料登録して、会社自ら、取引を入力してみる。これにより、少なくとも月の売上・仕入額や出入金額の金額は把握できます。②会計事務所に試算表の作成期限を月末締め後、短い期間設定にてお願いする。(5日以内目標)

 

(レベル2)社内で月次集計をして、会計ソフトに打ち込んでいるが、現場から売上情報や請求書等の報告や事務処理が遅い場合→①社内の売上情報や請求書等の報告期限を厳守させる。→②事務担当者のPCスキルアップ等社内処理のスピードアップを図る。

 

(レベル3)社内で会計ソフトへの入力のタイムリーだが、部門別、商品別・客先別など管理目線での集計や目標管理がない場合①業績集計結果を部門別、商品別・客先別目標対実績の管理表に入力。(CSVでの掃き出しの利用を含む)②管理表(エクセルベースなど)に入力したデータを経営会議、部門長会議等で評価し、対策をたてる。

 

(レベル4)レベル3までできている場合→集計結果を入力することで、いつでもエクセルはき出しの業績管理表をタイムリーに作成して、月初の即座対策会議が開けるように仕組みづくりする。

 

経営強化のためには、多くを望みたいもの。しかし、現状を知り、「現状レベルからの業績管理力向上」が成長の早道なのです。

 

以 上

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