Vコンサルタントブログ

事業再構築補助金に挑戦!

 

2022年8月1日(月)

  ㈱Vコンサル 代表コンサルタント 野澤 周永

1.事業再構築補助金とは?

 

(1)コロナ禍での大型補助金の登場

 コロナ禍長期化の状況を受け、国は「中小企業が、コロナ禍の経済社会の変化に

対応するための事業再構築を支援」という目的で、「事業再構築補助金」という大型

補助金に2021年度約12千億、今年度(令和3年度補正予算)6,123億円の予算

を投入しています。これは、これまでの「ものづくり補助金」などに比べ、かなり大

規模といえます。

 

(2)事業再構築とは?

事業再構築とは、コロナ禍によるニューノーマルへの新しい生活様式に対応して、

その変化に追従するための取組です。日本経済は、その変化に対応して、企業が再

構築されないと、構造転換が図れず、再生を果たせない懸念があります。事業再構

築とは、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編といった事業

の“改革”であり、環境に適応するための挑戦なのです。

 

(3)事業再構築補助金の特徴

① 概要

 イ.対象

この補助金の対象者は、一定要件を満たす、中小企業者等であれば、個人・法人やその規模は問いません。

.補助枠・補助額規模

補助枠としては、一番ポピュラーな通常枠(従業員規模によりMAX80002000万円 対象額のMAX2/3,補助率の高い「回復・再生応援枠」(従業員規模によりMAX15002000万円 対象額の3/4MAX)の他、「グリーン回復枠」「緊急対策枠」他いくつかの別枠があります。

.採択率 

6月に発表になった第5回公募の採択結果(HPで確認できます)によると、全体で応募21,035件に対し、9,707件が採択され、46.1%と高い採択率となっています。補助額が大きく公募数の多い「通常枠で、応募数16,185件、採択率39.7%、補助率の高い旧緊急事態宣言枠で4,509,66.6%と高い採択率となっています。

 

② 特徴

.事前着手が可能

通常の補助金は採択が決まってからの着手が原則ですが、この補助金の場合は事前着手の承認を受けておけば、採択に先行して着手できます。但し、補助金不採用の場合にその補償はされません。

.専門家のフォローが必須

この補助金取得には、経産省認定「経営革新等支援機関」の指導を受けることが条件です。逆に言えば、その指導を受けることが義務付けられていますから、客観的に専門家に意見をもらえる良いチャンスです。

.建物費が補助対象

この補助金の場合は、建物費も補助対象となっており、(新築の場合は理由書が必要)これまでと違い、施設補助金としての性質も持つ実用的な補助金と言えます。

 

2.補助金公募申請にあたって

(1)目的は「ビジネスの成功」にある

補助金取得は、「数千万円規模の金額がもらえる」という点に焦点をあてていしまいがちですが、あくまで““必要資金の一部援助”という性質のものです。

たとえば、事業投資に9000万円かかる時、6000万円が補助されるという場合があります。

この場合、たとえ補助金がなくとも9000万円を背負う覚悟が必要です。目的は「ビジネスの成功」にあるのです。

 

(2)公募申請は自社振り返りのチャンス

公募申請の事業計画書の作成にあたっては、まず、次の内容が求められています。

① 現在の事業の状況、強み・弱み、機会・脅威、

② 事業環境、事業再構築の必要性、

③ 事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)

④ 補助事業で実施する事業再構築の取組の概要

つまり、自社の現状把握を行い、どのように事業を再構築し、戦略構築するかが問われています。裏返せば、公募申請は自社振返りの最大のチャンスです。

 

(3)補助金額採択は始まり

①電子申請にご注意

現在コロナ禍の影響から、事業再構築補助金も電子申請となっています。電子申請は、アップロードすべき書類や書き込みを一つでも落とせば申請できません。ですから、締切直前に申請するのは危険で受付寸前でもエラーがでれば、一からやり直しです。くれぐれも余裕を持って申請しましょう。

 

50万円以上の資産は相見積必須

50万円以上の資産購入は、2社以上の相見積で価格が安い方を選定する必要があります。相見積は必須条件です。「諸経費」という具体的でない項目は認められませんし、相見積間の見積項目が合致している必要があります。

 

③書類の不備を起こさない

補助金公募を申請した方は、補助金額決定をゴールと考えがちです。実際には申請した通りに支出し、事業終了時に漏らさず交付申請をする必要があります。

 

④補助金交付は補助事業の入口

更に大事なことは、補助金交付が入口であることです。つまり、例えば、年率3%、5年間15%で以上の付加価値(営業利益+人件費+減価償却費)を増加させる条件で、補助金を受けているわけで、「ビジネスの目標達成」が必須条件になります。

 

3.補助金公募挑戦をチャンスに変える

事業再構築補助金は、現時点(20228月)では第7回公募締切を930日に控えており、今年度は第8回まで公募が予定されているとのことです。事業は投資しなければ、拡大発展はありません。そのためには、時代感覚にフィットし、皆が求める製品やサービスの提供ができるように、ビジネスモデル構築を極め、その存在を認知してもらうべきプロモーションを展開していくことが重要です。その負荷を金銭面でも事業構築面でも支えてくれるのが補助金です。貴社も挑戦してみませんか?

                                                            以 上

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