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本業に甘えた新事業を脱皮

2022年8月4日

 (株)Vコンサル 代表経営コンサルタント  野澤周永

1.新事業立上げの必要性

 本業である事業が盤石であることはとても大事なことです。「固定客がありその信頼がある」、又は「競合が少ない又は、競合はあるが製品力やサービス力に差があり、安定的に売上があがる」などケースでは、そのように本業が強い事業となっています。企業は環境の中で生きています。外部の環境は常に変化し、自社では、その流れを変えることはできません。だから、いかに現在、盤石な本業で安定収益をあげていたとしても、いつ何時、当社を取り巻く外部環境が変化し、顧客が競合他社や他の代替製品・サービスに取って代わられ、売上が低下するかわかりません。その意味で、本業が元気なうちに「新しいビジネス」を展開して軌道に乗せたいと思うのはごく必然であり、経営者として当然のことです。ただこの場合、一番警戒すべきことは、「本業が安泰であること」の油断なのです。本業が安泰の場合、新事業に対する切迫感がないため、取組に甘さがでる恐れがあるのです。

 

2.本業盤石な会社の新事業

 父の代から生花を苗から育て、花の商売を営んでいるA社は、葬祭用の生花を取り扱う事で安定した生花のビジネスを行っています。葬祭は、予定されるものでないことから、すわ葬儀となれば、その葬儀に間に合うように対応するというサービス体制をとります。このサービスさえ、間違いなく対応できていれば、顧客は常連化・固定化してくるわけです。その意味で、この葬祭用生花のビジネスは、利益幅も大きく軌道に乗れば安定した事業となっています。しかしながら、葬祭業者の競合もあり、510年スパンでみれば、必ずしも安定しているとは言えず、葬祭業者の勢力図によっては、売上が大幅ダウンすることもありえます。そこで、次世代である現社長は、父が育てた今の事業とは違った新事業は、育てたいと常々考えていました。そこで、広い年代に支持され、お花の美しさを長期間キープでき、心豊かにする商材である「アレンジフラワー」の製作・小売を経営革新の新事業として取組むことにしました。

 

3.ビジネスとして成り立つ必要性

「まずは、自社の直販店舗である地方の人通りの少ない路面のお花屋の一角に「アレンジメントフラワー」を置く販売スペースを作ったのです。技能士の資格もとった社長はものづくりが好きで、かつての花ビジネス修行時代に培ったセンスやプレゼン能力を遺憾なく発揮し、徐々にお客様が増えることとなりました。これに気をよくして、外商としての葬祭用生花を継続しつつ、お店の大部分を通常の花屋から「アレンジメントフラワー」のお店に全面改装したのです。スタート以来、お店はファンを広げ、開始年度を100として、ここ三年で120→130→140と着々とファンを増やしてきました。ここまで話を聞くと、「じゃあ何も困らないじゃないか・・」と思われる所ですが、ポイントは、地方の一商店で、通過交通も少なく、率直、マーケット規模の小さい立地であるという点でした。ですから、本業の売上は4000万円近くあるのに、全面改装したこのお店単独では初年度から年間売上が100万→120万→130万→140万といったレベルでとどまっており、フルタイムのバイトを2人の人件費にも追いつかないというのが現状です。

  

4.本業に甘えた新事業を脱皮

なぜ、この状態で問題なく継続できているのか・・簡単です。本業から上がるキャッシュフローが現在の所豊富でそのお金を使えるからです。まさに「本業に甘えた新事業」~本業におんぶにだっこ状態~と言えます。「独り立ちできないビジネス」なら継続の価値はありません。継続の価値を持たせるためには、その事業単体でお金が回り、従業員を雇用継続できることが必要条件です。私は、商材そのものの付加価値が高く、クオリティも高いので、店舗の認知度を上げるイベントやお教室開催・自店クラブの運営、WEB販売促進、フェース借りでの委託販売などを提案し、損益分岐点売上の突破をコンサル指導しました。

本業が強いと新事業に甘えが出ます。くれぐれも本業に甘えず、新事業は「背水の陣」の心境で緊張感をもって臨んでいきたいものです。

以 上