Vコンサルタントブログ

経営革新計画

2022年8月17日(水) 

(株)Vコンサル 代表経営コンサルタント 野澤 周永

1.経営革新計画は中小企業支援の原点

「経営革新計画」をご存知ですか?最近は、事業再構築補助金の事業計画やものづくり補助金の事業計画が話題に中心になることが多いですが、「経営革新計画」は、中小企業の新しい取組みを国が応援する、いわば“原点”ともいえるビジネスプランの承認制度です。別な言い方をすれば、国が定める「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」(平成11年法律第18号)に基づいて、都道府県が「今日的な課題にチャレンジする中小企業の経営革新(新たな取組による経営の向上)」を支援する承認制度です。

 

2.経営革新計画は都道府県の承認制度

中小企業は、経営資源が限定的であるため外部環境の影響を受けやすい存在であり、既存事業を粛々と営んでいても、競合する大手や同業他社に市場シェアを食われ、売上や利益が落ち込みやすい状況に常に置かれています。だからこそ、自社の強みや外部環境のチャンス(機会)を生かして、ニッチな分野での“新しい取組”としての経営革新計画の策定が必須となります。この経営革新計画は、都道府県がビジネスプランにお墨付き(承認)を与えるという極めて数少ない承認制度であり、事業再構築補助金やものづくり補助金の事業計画も採択を得るためには、この原点である経営革新計画にあたるビジネスプランの整理が必要となります。

 

3.経営革新計画の特徴

この制度は、事業者が策定する経営革新計画を支援するための次の特徴があります。

  • 全業種での中小企業の経営革新を幅広く支援(業種を問わない)
  • 柔軟な連携体制で実施(経営資源に限りのある中小企業の経営革新が他者と柔軟な連携関係を最大限に活用できるように単独、連携体等での取組も可)
  • 既存事業と比較して、定義された「新しい取組」の設定
  • 経営向上の程度を確保すべく付加価値額と経常利益に関して数値目標を設定
  • 本店登記(個人の場合は住民登録)がなされている都道府県による承認
  • 外国関係法人と共同して行う事業計画も可(H24年追加)

 

4.経営革新計画による新しい取組

 上記のように、経営革新計画の承認を受けるためには、次の4つの新たな取組(新事業活動)を含む計画であることが必要です。

 <新事業活動の4つの類型とその例示>(東京度産業労働局資料より 一部編集)

(1)

新商品の開発又は生産

大型業務用空気清浄機の製造企業が、小型化家庭用空気清浄機を開発

(2)

新役務の開発又は提供

美容室が既存店舗のサービス以外に外出困難者向けの出張サービス展開

(3)

商品の新たな生産又は販売の方式の導入

果実店がその知識を活用し、フルーツパーラーで健康メニューを提供

(4)

役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動

タクシー会社が、介護資格取得し、高齢者移送サービス事業展開

また、経営革新の計画期間は3~5年で、経営向上の基準伸び率は、付加価値額または一人当たりの付加価値額の伸び率が年率3%以上で、経常利益の伸び率年率1%以上です。以上のような経営革新計画は、まさに“国が公認する元気企業の証し”なのです。

 

5.経営革新計画の意義

とはいうものの、経営革新計画と聞くと、「なんか言葉では伝わってこない」「作成書類も多くて大変そう」「苦労の割に報われるのかな?」と言う感想が聞かれます。実は、これまで私のコンサル会社でも経営革新計画の承認取得を100社近くサポートしてきました。承認取得のサポートを始めた10年ほど前は、支援策にある「政府系の低利融資」が主目的であったり、コンサルタント任せで経営者は一切手を出さないケースなどが中心でした。しかし、ここ数年は、危機感の高まりからか、皆さん真剣度が増しており、「経営革新計画」の承認を経営に生かし、新事業を成功させようという意欲ある経営者が大多数となってきました。

 

6.経営革新計画は自社の振返り

経営革新計画には、低利融資の優遇措置や、保証協会枠の別枠設定、特許料の減免などあらかじめ用意された支援策があり、これらの支援策は大いに活用すべきです。しかし、もっと大事なことは、経営革新計画の策定を通して、自社の事業や内外環境の現状認識を持ち、自社が目指してきた理念のものに自社の強みや事業環境上のチャンスを生かして、実現性・革新性のあるビジネスを創出することです。これは、今後の自社事業のこれからの売上向上・収益改善につながります。その意味で取り組む価値が大いにあります。

 

7.経営革新計画は業種を問わず

実は当社㈱Vコンサルも、かつて2015年3月に「Vコンサル建設業経営センター」のビジネスプランで経営革新計画東京都承認を受けたことがあります。「コンサル会社も経営革新計画承認を取るの?」との声が聞こえそうですが、経営革新計画は、業種を問いません。コンサルタントである私自身も自社の事業を振り返り、自社の強みと外部環境のチャンスを生かした新しいビジネスに挑戦したいと考えたのです。自社の経営革新計画策定のおかげで、自社事業について頭の中が整理され、今後の進む方向が明確になりました。プロが勧める「経営革新計画」です。あなたの会社も挑戦してみませんか?

以 上 

 

参考:経営革新計画の計画指標

指標

5年計画

4年計画

3年計画

1.

「付加価値額」

伸び率目標
15%以上

伸び率目標
12%以上

伸び率目標
9%以上

2.

「一人あたりの付加価値額」

3.

「経常利益」

伸び率目標
5%以上

伸び率目標
4%以上

伸び率目標
3%以上

 

1.付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費

※人件費・減価償却費は売上原価及び一般管理販売費に計上されているものに限ります。
※減価償却費は繰延資産の償却費、リース・レンタル費用を含めてください。

 

2.一人あたりの付加価値額=付加価値額/従業員数


3.経常利益 = 営業利益-営業外費用(支払利息、新株発行費等)

以上

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